ファッションを仕事にしていた期間が長いこともあり、よく、「どういったファッション着ればいいの?」と言われます。
メンズファッションにも流行はありますが、レディースに比べると定番品が多いですよね。そして、定番品ほど、お得に手に入れたいと思うのがメンズ心。
これまで僕がよく聞かれたことの1つに、「ビジネスシャツ買うなら何がいい?」というものがあります。今回は、3枚3,000円等のバリューシャツではなく、ちょっといいシャツを選ぶのとしたら、その観点で、代表的な2つを比較してみました。ということで、5000円前後で販売されている、2つのシャツについて比較したいと思います。
この記事を読んでほしい人
- オシャレには無頓着だけど、清潔感や小綺麗さを求める大人の人
- 30歳すぎて、今までの洋服は似合わなくなったな…と感じているおじさん
- とにかくコスパがいい名品を知りたい、というおじさん
知っておきたいワイシャツの選び方は?
まずは、どのような観点で、ワイシャツを選ぶべきか。そこを簡単に整理しましょう。
ワイシャツを選ぶポイント:素材
まずは素材ですね。最近はポリエステルのシャツが主流になりましたが、ワイシャツのベースは綿になります。(ちなみにワイシャツの起源は古代ローマにあると言われています。また、基本的にシャツは下着扱いでしたので、シャツの下には何もつけないのがベースでした。)
ひと昔前は綿のシャツがいいと言われていましたが、私は必ずしもそうとは思いません。服が進化した結果、今やイタリアのブランドでもナイロンやポリウレタンを入れてストレッチ性を出そうとしています。一般的に化学繊維(ポリエステル、ナイロン)が入ると、伸び縮みする素材になり、綿の割合が増えると、パリッとした印象になります。
ワイシャツを選ぶポイント:シルエット
ワイシャツにもいろいろなシルエットがあります。型紙次第でシルエットが大きく変わりますが、基本的には、レギュラーシルエットとスリムシルエットを抑えておけばよいでしょう。
一般的にジャケットの中に着るのであれば、スリムシルエットの方がもたつきがなくてキレイです。一方で、小太りになったおじさんがスリムシルエットを着ると、割と悲惨な結果になります…自分の体型を過信せず、ぴったりなシルエットを選びましょう。ちなみにぴったりとは、肩がぴったり合う、という意味です。(多くのワイシャツは首と袖丈は調整できます。)
ワイシャツを選ぶポイント:縫い方
最後は縫い方です。縫い方というのは、縫製職人のテクニックですね。手縫いで仕上げている場合もあれば、ミシンで縫っている場合もあります。(たいていの場合はミシン縫いです。)一般的にミシンの方が仕上がりがキレイですが、実は手縫いの方が価値が高いんです。知ってました?
なぜなら、手縫いの場合は、機械と違って、いい塩梅に「甘さ」が出るからです。シャツは、袖も、襟も、ボタンも、基本は後付け(あとから縫う)になります。これが手縫いだと、袖にテンションがかかったときに、ちょうど緩衝材のような役目を果たしてくれて、本体が引っ張られずに、実にリラックスして着ることができるのです。(ちなみにフルの手縫いのシャツは10万円とかします。)
ミシン縫いであっても、縫製の雑さというのは着心地に影響を与えます。たとえばシャツを裏返した時の脇の部分のミシンがキレイに入っているかそうでないかは、着心地に大きな影響を与えます。
鎌倉シャツとアイシャツ、買うならどっち??
というわけで、5000円前後のシャツを買うなら、どういったブランドがいいのでしょうか。代表的な2つのブランドを紹介したいと思います。
鎌倉シャツとは?
鎌倉シャツは、1993年に鎌倉で生まれたブランドになります。「世界で活躍するビジネスパーソンを応援する」をモットーに、高品質な素材を使い、メイドインジャパンで作られたシャツが特徴になります。創業当時は4900円(今は税抜き5900円~)という価格の割に品質が高い、ということで、一気に知名度を上げました。原価率の高さも同社の特徴です。
アイシャツとは?
アイシャツは、紳士服大手チェーンの「はるやま」が開発した、完全ノーアイロンシャツになります。業界で初めて形態安定5級を獲得した、機能をたっぷり込めたシャツになります。累計650万枚販売するなど、発売以来人気の商品です。アマゾンでもワイシャツカテゴリで1位を取る常連となっています。
アイシャツvs鎌倉シャツ 結局どちらがおすすめなの?
ということで、結局どちらがオススメなのか、実際に上の3つのポイントで評価していきましょう。今回比較するのは、どちらももっとも売れているものを紹介します。
鎌倉シャツ:[メーカーズシャツ鎌倉] ワイシャツ スリムフィット ブロードクロス (ポプリン) スプレッド 無地 長袖 メンズ MSK055
アイシャツ:[アイシャツ] i-shirt 完全ノーアイロン ストレッチ 超速乾 スリムフィット 長袖 アイシャツ ワイシャツ メンズ ノンアイロン
素材:機能のアイシャツ、パリッとする鎌倉シャツ
素材で一気に評価が分かれます。アイシャツはいわゆるニットシャツで、生地がよく見るとニットなのです(※普通の人はニットかどうかわかりませんので、ニットシャツであっても全く問題はありません。)で、ポリエステル100%です。一方、鎌倉シャツは綿100%、番手は100番手と呼ばれる素材ですね。デパートのシャツでもよくつかわれている素材です。
で、このニットシャツと綿100%、どちらが良いというのは、完全にシーンによります。アイシャツの場合、何度洗濯してもアイロンいらずです。(ニットだから当然と言えば当然ですが、アイシャツが同程度の価格態では一番スペックが高いです。)そして、抗菌、防臭仕様にもなっています。
一方で、綿100%には、そういった機能はありません。ただ、キレイにアイロンをあてると、パリッとしてかっこいいのは事実です。単純にスーツ着た時のカッコよさで選ぶなら、断然鎌倉シャツです。
素材はどちらがいいとかではありません。(たぶん生地の値段もそんなに変わらないと思います。)完全にシーンで選んでください。作業着の下に着る、動きが多いとかの場合はアイシャツ、かっこよく見せたい場合は鎌倉シャツです。結婚式にアイシャツで行くな。
縫製:鎌倉シャツがやや丁寧。ただアイシャツも遜色なし
縫製については、値段が若干張る分、鎌倉シャツの方が丁寧です。たとえば、生地の裏側は、アイシャツが普通(クオリティに問題があるわけではない)のに対し、鎌倉シャツは巻き伏せ本縫いという手法をとっています。これにより、縫い代が小さくなり、肌あたりが良くなるのです。鎌倉シャツはこの辺の設計が実に丁寧なのが特徴ですね。デパートで8000円するブランドであっても、こういう処理をしていないブランドは多くあります。
値段の分、鎌倉シャツにやや軍配が上がりますが、アイシャツが悪いというわけではありません。生産国は中国やタイですが、値段なりに丁寧な作りになっています。
シルエット:どちらもそれなりにバリエーションあり
シルエットに関しては、個人のサイズ感によるので、特にコメントはありません。ただ、両社ともそこそこ大手なだけあって、定番は豊富なサイズ感になっています。特殊な体型でない限り、そんなに問題はないでしょう。
結論:普段使いたいアイシャツ、1枚は持っておきたい鎌倉シャツ
結論です。
1枚冠婚葬祭も含めて持っておきたいのが鎌倉シャツ、普段シャツを着る仕事で、そこまで服装にこだわりがないならアイシャツ、というのが結論です。
何度も言います。アイシャツで結婚式に行くな。
この価格態であれば、他にもアザブテーラーのシャツなんかもクオリティは高いですが、個人的にはこの2つ、鎌倉シャツとアイシャツをお勧めします。30代のみなさま、もう1枚1000円のシャツは卒業したい、と思ったら、この2つはいかがでしょうか。ぶっちゃけユニクロよりコスパ、質ともにいいですよ。シャツはユニクロそんなに得意じゃないですし。
鎌倉シャツ:[メーカーズシャツ鎌倉] ワイシャツ スリムフィット ブロードクロス (ポプリン) スプレッド 無地 長袖 メンズ MSK055
アイシャツ:[アイシャツ] i-shirt 完全ノーアイロン ストレッチ 超速乾 スリムフィット 長袖 アイシャツ ワイシャツ メンズ ノンアイロン
それではごきげんよう。