冬本番です。出勤するときも、寒さが気になる季節ですね。どうしても、温かいコートやアウターが欲しくなってくる季節でしょう。
ファッションを仕事にしていた期間が長いこともあり、よく、「どういったファッション着ればいいの?」と言われます。
メンズファッションにも流行はありますが、レディースに比べると定番品が多いですよね。そして、定番品ほど、お得に手に入れたいと思うのがメンズ心。
今回のテーマは、「ビジネスシーンで使えるコート」です。ビジネスでもカジュアルでも使えるコートって、1着あれば本当に便利ですよね…サイズの選び方やおすすめのブランドについて解説していきます。
>>>コートを形で選ぶなら…?定番の形を解説
30代がビジネスカジュアルのシーンでコートを選ぶポイントとは?
まずは、30代、ファッション初心者が、コートを選ぶ際のポイントについて、要素ごとに見ていきましょう。
コート選びでもっとも大事なのはサイズ感
まず最も大事にしたいのはサイズ感です。どれだけいいコートを着ていても、サイズが合っていないと、変な感じになってしまいます。コートに限った話ではないかもしれないですが、自分にぴったりなサイズを選ぶことが、大人のファッションの基本になります。
サイズ感で気をつけるポイントは2点、肩回りと丈です。いずれも余裕を持ったサイズ感で着ることが重要になります。
肩回りについては、特に、ジャケット着ること前提に肩回りを選びましょう。ちゃんとしたジャケットを着ればわかると思いますが、肩の部分は芯地が入っていたりして、思ったより大きく作られています。これを計算して、余裕があるシルエット(ジャケットの上からコートを着た時に、窮屈でないか。肩が楽かどうか)を選ぶことをおすすめします。
丈も、ビジネスシーンであれば長めを選んでおくと良いでしょう。意識しておきたいのは、ジャケット、お尻が全部が隠れること。さらに言えば、基本は膝くらいまでの丈感をおすすめします。丈が短いコートは、それだけ着こなしが難しいのです。それを念頭に置いておきましょう。
幸い、昨今洋服のビッグシルエット化が進んでいます。これはある意味30代にとっても(体型を隠せるという意味でも)プラスだと思います。
大人のコートは素材、機能性にある程度こだわりたい
次に意識したいのが、素材や機能性です。やっぱり寒い冬に着るコートであれば、それなりに保温性や風を通さない素材をきちんと選んでおきたいですよね。オシャレは我慢といいますが、30代の大人のファッションの基本は、我慢しないことだと思っています。
そういう意味でいうと、やっぱり、冬場に着るコートは、ウール系のコートがお勧めです。カシミヤやアンゴラなど、高級素材を着る必要はありませんが、ウールをしっかり使ったコートは、それなりに重さはあるものの、防風性に優れています。
ナイロンのコートも機能的でよいのですが、真冬のファッションであれば、フォーマルシーンで使うことも想定して、ウール系のコートをおすすめします。もちろん、最近はウールであっても、中にダウンが入っていたりしていて、軽くて暖かいコートも多くなっています。
ビジネスカジュアルでおすすめのコートの種類とは?
最後に選ぶポイントとなるのが、形です。基本的にはよりフォーマルな形のほうがお勧めです。ここでは、ビジネスシーンにおすすめしたいコートの種類をいくつか紹介します。
チェスターフィールドコート
まずはシンプルな王道コート、チェスターコートです。フォーマルやビジネスシーンを想起する人が多いかもしれませんが、ロングジャケット的な使い方をすることで、カジュアルシーンでも活用することができます。形がシンプルなので、汎用性が高いことが強みですね。最近はチェスターコートも腕回りがリラックスしたものが多くなってきました。
ステンカラーコート/バルマカーンコート
もう1つ代表的な形が、バルマカーンコートです。日本ではステンカラーと呼ばれることも多い形で、これも定番です。チェスターに比べて襟が長く、立てて首回りを防寒することができます。
こちらも日本のビジネスシーンで人気の形ですが、その分シルエットには注意したいですね。あまりタイトになりすぎないよう、余裕を持たせた方が大人にとってはよいでしょう。
タイロッケンコート
最後はタイロッケンコートです。あまりなじみのない名前かもしれません。タイロッケンは、「紐で止める」という意味で、ベルトで形を作るタイプのコートになります。ベルトがアクセントになることで、最近注目度が高まっているコートの1つになります。これもシンプルで合わせやすい形が多いので、おすすめのコートになります。
実はこういうコートはNG?避けたほうがよいタイプのコートとは?
個人的に、おすすめできないコートがあります。
それがこういったタイプの丈が短いナイロンのトレンチやステンカラーコートです。わりと来ている人多くいますよね…
でも、このコート、実はとっても使いづらいのです。
1つが丈の中途半端さ。確かにお尻は隠れているのですが、カジュアルシーンで使うには短いです。肩回りも、今の時代だと、ちょっと窮屈なように見えてしまいますね‥‥
あと、このタイプのビジネスコートって、なぜか日本だけで良く着られています。ヨーロッパではこういうシルエットのコートはあんまり見かけません。それだけ汎用性が少ない、ってことかもしれませんね…
同じトレンチコートであっても、これくらいゆったりしたシルエットであれば、たとえ中がジャケットでなくたってキレイに合わせれますし、たとえばスニーカーとデニムでもキレイに着こなせることでしょう。
あと、このタイプのキルティングコートも一時期人気でしたが、個人的にはおすすめできません。もともとキルティングコートは馬術用のコートで、かなりカジュアルです。そして、丈的にも、やっぱりビジネススタイルに合わせるのは難しいと思います…もちろん好きで着ることを否定はしませんが、あまり積極的に選ばない方がよいでしょう。
メンズの価格帯別おすすめ!コート買うならここで買え!ベスト5
次に、コートを買う場合、どういったブランド、ショップを選べばよいか、解説していきます。
コートにはそこそこお金をかけた方が良い?
コートも、今は安ければ数千円から売っています。しかし、30代になったら、コートにはそこそこお金をかけた方がよいと思っています。
理由はシンプルで、「コートは値段で差が出る」からです。コートは素材が重く、縫製もしづらいアイテムです。値段をかけた分、縫製が丁寧で、良い素材を使えるようになり、そのぶん、着心地や温かさが増すのです。(どのアイテムにも言える話ですが、コートは特に顕著です。)
また、コートは、インナーなどと違い、一度買ったら数年着ることができます。たとえば5万円のコートを買って10年来たら、1年あたりは5千円、1回あたりは200~300円くらいと、実はリーズナブルなのです。安いコートを買って失敗した、と思うくらいなら、そこそこ良いコートを買うようにしましょう。
比較的買いやすいプライスでコートを選ぶなら…?
といっても、いきなり10万円のコートを買うのは勇気がいるかもしれません。なので、買いやすいプライスのコート(3万円~6万円)でおすすめのブランドを2つ紹介します。
ユナイテッド トーキョー(UNITED TOKYO)
そこそこの値段でそこそこのものを探すなら、ユナイテッドトーキョーがお勧めです。
ユナイテッドトーキョーは日本のブランドで、トレンド感ある洋服(でも比較的定番っぽい形やアイテム)をそれなりの値段で販売しています。正直めちゃくちゃ質がいいか、というと、そうでもない部分もあるんですが、そこそこの値段でそこそこのアイテムを買うのであれば、おすすめできるブランドです。あと、トレンド感をきっちり抑えているので、妙に古いとか、ダサい、みたいなのにはならないかな…と思います。
店員の接客について厳しい声も多いので、店舗で試着してネットで買うのがよいかもしれませんね。
トゥモローランド(TOMORROWLAND)
もう少し良いもの、というのであれば、トゥモローランドもおすすめです。トゥモローランドはもともとメーカーだったこともあり、洋服の作りはしっかりしており、こだわりを持って作っています。デザインはわりと奇抜なものも販売しているので、できるだけベーシックなものを選ぶと良いでしょう。値段は4万円~8万円ほどと、ユナイテッドトーキョーよりは高くなっています。(が、個人的にはこちらの方がお勧めです。)
一生もののコートを選ぶ!本格コートブランド3選
次に紹介するのは、10万円前後~20万円程度の本格コートブランドです。お金に余裕があるなら、ぜひ見てみたい、一生もののブランドを紹介します。
ラルディーニ(LARDINI)
まずはイタリアコートの王道ともいえる、ラルディーニです。ヴィトンなどのOEMをやっていたことでも知られています。花のブートニエールが特徴ですね。
値段はそこそこしますが、さすがスーツ、コートメーカーの老舗だけあり、生地、縫製ともにとても質が高いです。シルエットは昔ながらのものも多く、長く着れるコートを作っています。定番品でいいものを買いたいのであれば、まずはじめに見たいブランドですね。
タリアトーレ(TAGLIATORE)
ラルディーニと並んでイタリアのコートブランドとして知られるTAGLIATORE。プーリアにファクトリーを構える同ブランドは、素材の提案力と、時代に合わせた柔軟なシルエットの設計が特徴と言えるでしょう。ラルディーニに比べて柔らかい印象のコートをよく出しているイメージです。だいたいセレクトショップではラルディーニと並んで置いていることが多いので、合わせて比較してみると面白いかもしれません。
ヘルノ(HERNO)
もともとはイタリアのレインコートメーカーでしたが、今やコートのトップブランドと言っても間違いないヘルノ。
クラシックなコートも多数出していますが、根底にあるのは機能性と快適さ。特にウールのコートであっても、中にダウンや中綿を入れて、保温性を高めるなどの工夫をしているところが特徴です。
モデルとしてはナイロンのようなモデルもあり、バリエーションが豊富なことも特徴です。ダウンもいいですが、クラシックなチェスターやステンカラーがお勧めです。
まとめ。寒い冬のビジネスシーンも、このコートがあれば大丈夫!
今年の冬も寒くなりそうです。寒い冬の出勤は憂鬱ですが、質のいいコートが1着あれば、その憂鬱を吹き飛ばしてくれるかもしれません。
最後にもう1度。コートをユニクロで買うな。そこそこ質のいいものを選べ。
それではごきげんよう。
>>>ダウンについてはこちらで解説
>>>メンズコートは4着は必要?どういった選び方をすればよいかはこちらで解説