私たちは夫婦のポートフォリオでレバレッジ・リバランス投資という投資手法を取っています。
>>>レバレッジ・リバランス投資についてはこちら
これはレバレッジを150%~200%に抑える投資手法であります。(レバレッジが150%を切った時点でSPXLに再投資、200%を超えた時点で利確)初めて4か月程度ですが、市場が不安定と叫ばれていても、一定の成果が出ています。
ただ、この150%~200%というのは、特に何らかの数式を用いて導いたものではありません。つまり、これが正しいのかどうか、というのは、私自身も確証が持てないのです。
というわけで、この、150%~200%というのが、適切な投資なのかどうか、検証してみました。
肌感覚ではこれぐらいが適切だとは思っているけど‥‥
加えて、最近市場ではナスレバという言葉がはやっているので、ナスレバについても、どれくらいの割合で保有するのがいいのか、そしてどっちを持つのが数学的には正しいのか、を出してみました。
その前にケリー基準って知ってる?
まず、最適な割合を出すために、どういったものを基準にするか、について話をしたいと思います。今回使うのは、ケリー基準になります。
ケリー基準というのは、アメリカの偉い人である、「ケリー博士」がギャンブルのために生み出した公式になります。ケリー博士は、ギャンブルで、「どれくらいの金額を賭ければ、最も効率的に資金を増やせるか」を研究しました。
ちなみに、ケリー博士はギャンブルをいっさいしなかったそうよ
それが、投資の世界にも入ってきて、いくらくらいの資金を賭ければ、最も効率的に稼げるかを、多くの投資家が考えるようになりました。それが、金融工学として、現代にも受け継がれているわけです。
ちなみに、今回、参考にしたのは、こちらの書籍です。翻訳がいまいちで、難解な部分もありますが、名著なので、興味がある人は読んでみることをおすすめします。
投資におけるケリー基準を世界一簡単に説明する
ケリー基準は、もともとはギャンブルのために生まれたものですが、これを投資に当てはめると、どのようになるのでしょうか。
先人たちがすでに投資におけるケリー基準を出しています。数学的な解釈になるので、細かい数式は差し控えますが、一般的に、最適なレバレッジは、以下で算出されます。
レバレッジの割合=シャープレシオ÷標準偏差=平均リターン÷(標準偏差)^2
シャープレシオ=平均リターン÷標準偏差なので、つまり標準偏差が大きければ大きいほど、レバレッジをかける割合は小さいほうがいいよ、ということになります。
もっと簡単に言うと、「レバレッジをかけるかどうかは、リターンの大きさよりも、標準偏差の大きさで決める方が効率がよい」ということになります。この視点はリスク観点からも非常に重要です。
>>>数学が得意な人はこっちを見てもいいかも(外部サイトです)
実際にどれくらいのレバレッジをかければよいのか?
では、さっそく、理論的にどれくらいのレバレッジをかければよいのかどうか、検証してみましょう。ここではケリー、ハーフケリー(ケリー基準だとボラティリティが高いので、心理的には半分くらいでよい)、クオーターケリー(ハーフケリーでもなおボラティリティが高いので、1/4くらいにすべき)という3つの指標で見ていきます。いずれもボラティリティを最大限評価するためにも、3年で見ています。
平均リターン | 標準偏差(%) | シャープレシオ | レバレッジ (ケリー) | レバレッジ (ハーフケリー) | レバレッジ (クオーターケリー) | |
SP500 | 16.0% | 18.48 | 0.830 | 4.5 | 2.2 | 1.1 |
Nasdaq | 26.7% | 20.21 | 1.220 | 6.0 | 3.0 | 1.5 |
SP500であれば最大4.5倍、Nasdaqであれば6倍のレバレッジが、数学的には最も効率がいい投資になります。
注意点:あくまでこの3年は異常だったという前提も大事
ただし、この手法には注意点があります。それは、この3年は、これまでの中でも異常に株高だった、ということです。
ちなみに2~3年ほどの前のデータでは、SP500の最適レバレッジは2.3倍だったそうです。ここ2,3年で最適なレバレッジが倍になった、ということはどういうことでしょうか。
簡単に言うと「株が上がり続け、平均リターンがあがり、(目立った暴落もなかったので)標準偏差も下がった」ことが要因です。あくまでデータはデータなので、ファクトを置いておきますが、このレバレッジ量を推奨するものではありません。
まとめ:今の相場が続くなら、レバレッジを増やすのもあり?
私たち夫婦のレバレッジは今、だいたい150%くらいです。しかし、現時点では、ケリー基準どころか、ハーフケリーにも届いていない状況です。つまり、最適化を求めるなら、さらにレバレッジを掛けていくことが求められているわけです。
一方で、最適レバレッジ比率は生き物です。平均リターンも標準偏差も、毎日数字が変わります。
とはいえ無理なく投資をするべきか、効率を求めてさらにレバレッジ比率を上げるかは、もう一度考え直した方がいいかもしれません。そして、ここしばらく、ナスレバに投資していた人は、今のところ正解だと言えそうですね。
それでは。